所有権移転登記の更正・抹消
確定申告の時期となると、住宅を購入した際に決めた所有権の訂正の登記を依頼されることが多いです。
住宅購入資金を夫が全額負担していながら妻に所有権持分を与えたようなケースでは、妻へ多額の贈与税が課されることになりかねません。(購入代金を支払っていない妻に夫が不動産を一部贈与したことになるからです。)
そこで、確定申告期限までに住宅購入資金の出資者の名義に訂正する登記を申請することによって贈与税を免れようとするわけです。
先日は、20年以上連れ添った妻へ居住用不動産を贈与した際に適用される贈与税控除(2000万円控除)の特例を前提に行った贈与登記が、適用要件を満たしていなかったという相談を受けました。(弊事務が所有権移転登記を担当した案件ではありません。)
このようなケースでは確定申告期限までに贈与による所有権移転登記を抹消する等、所定の要件を満たせば贈与税を免れられる可能性があることをお伝えし、所有権移転登記を担当した司法書士に抹消登記を依頼するよう助言しました。
登記と税務は密接に関わっておりますので、安易に登記申請してしまったり、申請すべき登記をし忘れてしまうと大変なことになることがありますので、事前に司法書士・税理士等の専門家にご相談いただき、慎重に手続きをしていただくことをお勧めいたします。